金融庁が逃げ出した「新生・あおぞら」統合計画の迷走

執筆者:本田真澄 2010年3月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

 今年十月に予定されていた、新生銀行とあおぞら銀行の統合計画の破談が確実視されている。「総資産十八兆円、国内六位の準メガバンク誕生」と囃された統合計画は、一昨年秋のリーマン・ショック後に破綻が懸念された両行の救済策として金融庁が主導した「官製再編」。ところが鳩山内閣が「自民党政権時代の失政の尻拭いはしない」(官邸筋)との姿勢を明確にし、公的資金の追加投入の見通しが立たなくなったため、主役(金融庁)が一気に腰を引いたのだ。 リーマン・ショックにより破綻した米ゼネラル・モーターズ(GM)の金融子会社やクライスラーへの巨額投資を焦げ付かせた米投資ファンド、サーベラスが筆頭株主のあおぞら銀は資金繰り破綻説が取り沙汰された。一方、新生銀も金融危機で投資損失が嵩んだ米投資ファンド、JCフラワーズが実質的なオーナー。破綻したリーマン日本法人への融資貸し倒れや不動産投融資で損失も重なり、経営不安説が広がった。二〇〇九年三月期決算で、あおぞら銀は二千四百五十三億円、新生銀は千五百七十億円の最終赤字を計上。旧日本債券信用銀行が母体のあおぞら銀には千七百九十三億円、旧日本長期信用銀行が母体の新生銀には二千百六十九億円の公的資金が入っており、金融庁は両行が破綻し税金が毀損する事態に背筋を凍らせた。

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