台湾の鴻海精密工業は世界最大手のEMS(電子機器の受託製造サービス)業者。米アップルの携帯音楽プレーヤー、任天堂やソニーのゲーム機などを製造している。内製の金型を使って短時間で部品を造り、合計で十数万人を雇う中国の広東省、江蘇省などの工場で組み立てる。世界の電機大手が不況で苦戦する中、二〇〇九年十二月期の売上高は前年度比三・五%減の約一兆四千二百億台湾ドル(四兆円)を確保した。 一九七四年に会社を興し、一日に十五時間働くモーレツぶりで鴻海を「受託製造の巨人」にまで育て上げた郭氏は「これから黄金の十年間を迎える」と話す。この四月末には台湾二位の液晶パネルメーカー奇美電子を傘下に収め、液晶テレビのEMSに本格参入する。長期的にはソフトウエア、バイオテクノロジーなどの新規分野に取り組む方針も掲げている。
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