暗雲垂れこめる「製造業の未来」

執筆者:新田賢吾 2010年4月号

この十年あまりで世界の製造業は大きく変化した。“フリーライダー”たちに利益を削られる中、新たな技術シーズを生み出していけるのか。「トヨタはどうしてしまったのか」。日本人の多くは今、こんな気持ちにとらわれているだろう。米国でアクセルペダルの不具合に起因する大規模リコールに追い込まれ、豊田章男社長ら経営幹部が米上下両院の“お白洲”に引きずり出された。世界最強の製造業といわれ、その工場を世界中のメーカーが見倣ったトヨタの転落を、一企業の問題と捉えるべきではない。世界の産業の未来そのものに暗雲が垂れこめているのだ。

カテゴリ: 経済・ビジネス
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top