指導者層の交代と新たな価値観の台頭

執筆者:畑中美樹 2010年4月号
エリア: 中東

 中東の情勢は、常に世界の動きと連動しながら、他方で内在する固有の要因によっても突き動かされてきた。逆に、中東の変動が世界の情勢に大きく影響を与えることも少なからず起きた。今後二十年の中東においても、基本的には、これら三つのベクトルが相互に絡み合いながら影響を与えて行くことになろう。 第二次世界大戦後の中東を振り返ってみると、最も大きな影響を与えた世界の動きは「米ソ冷戦」「東西対決」という構造であった。その崩壊以降では、特にここに来て顕著となった中国を中心とする「新興国」の台頭が大きな影響を与えている。

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