多くの謎が残る韓国哨戒艦沈没

執筆者:平井久志 2010年6月18日
エリア: アジア

 北朝鮮は故金日成主席生誕100周年の2012年に「強盛大国の大門を開く」ため、10年を「決定的転換をもたらす年」にすると位置づけ、「人民生活の向上」を重点政策に掲げてきた。にもかかわらず、昨年末に行なったデノミ政策の大失敗により、北朝鮮がかつてない窮状に陥っていることを、筆者はフォーサイト誌上でレポートしてきた。だが、4月号(3月19日発行)での最後のレポート以降、朝鮮半島情勢はめまぐるしい動きを見せた。3月の韓国哨戒艦沈没と、5月の金正日(キム・ジョンイル)総書記訪中、6月の北朝鮮体制刷新……。いまだ不可解な点も多いが、この間の北朝鮮の動きを整理してみる。

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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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