「民みん部分連合」はあり得るか

執筆者:原英史 2010年7月23日
カテゴリ: 政治
エリア: アジア

 参院選での民主党敗北。ねじれ国会が再びやってきた。民主党政権は当面「部分連合」を模索することになろう。
その中で、重要政策課題として、「公務員制度改革」への注目も高まってきた。参院11議席を得たみんなの党との協力は、単に民主党の参院議席数と足し合わせるだけでは過半数に達しないとはいえ、有力な選択肢の一つ。協力のためには、同党の看板政策たる「公務員制度改革」での合意形成が欠かせないからだ。
政権中枢からも「(みんなの党と)公務員制度改革の考え方の方向性は一致している」(玄葉光一郎・公務員制度改革担当大臣)などの発言が聞こえてくる。
 だが、「民みん部分連合」の可能性は本当にあるのだろうか。
 たしかに、民主党とみんなの党の議員たちのテレビでの発言を聞く限り、「公務員制度改革」では似通っているように思える。「天下り根絶」「人件費削減」「政治主導」など、キャッチフレーズも一緒だ。しかし、では歩み寄り可能かと言うと、そう簡単ではない。というのは、「民主党議員たちのテレビ番組での発言」と「民主党政権から実際に出てくる政策、例えば法案や閣議決定など」との間には、大きな乖離があるからだ。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
原英史(はらえいじ) 1966(昭和41)年生まれ。東京大学卒・シカゴ大学大学院修了。経済産業省などを経て2009年「株式会社政策工房」設立。政府の規制改革推進会議委員、国家戦略特区ワーキンググループ座長代理、大阪府・市特別顧問などを務める。著書に『岩盤規制―誰が成長を阻むのか―』、『国家の怠慢』(新潮新書)など。
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