成長市場に便乗「携帯コミック」配信はインドに根付くか

執筆者:山田剛 2010年2月号

 携帯電話の加入者が累計五億件を突破したインドで、携帯端末へのコミック配信サービスが相次ぎスタートしている。  十一億人を超える総人口の約半数は二十五歳以下で、読者予備軍の層は厚い。中間層以上の子どもや若者はパソコンやデジタル機器に慣れ親しんでおり、携帯コミックは巨大なコンテンツ・ビジネスに成長する可能性を秘めている。だが、インドという特殊な市場でデジタル版「マンガ」がどこまで普及するかはなお未知数だ。  ソフトバンク・グループなどは昨年十一月、大手財閥タタ・グループとNTTドコモが展開する携帯電話サービス「タタ・ドコモ」向けにハーレクインコミックスの配信サービスを開始した。NTTソルマーレなども、九月からインドで同様のサービスを開始。学園ファンタジー作品などを配信中だ。  インドの携帯サービス最大手バルティ・エアテルも、昨年秋からポパイやインド国産コミックなどを配信している。同社は「コミックは国境や年齢、文化の壁を越える有望なコンテンツ」と普及に自信を見せる。各社とも作品一本当たり十―二十ルピー(一ルピー=約二円)からの課金でダウンロード可能。  IT大国インドではすでに地元各社が携帯電話向けゲーム開発などでしのぎを削っており、加入者が毎月一千万件超のペースで増加中の携帯向けコンテンツ・ビジネスは、すでに年間一千億円規模に達している。

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執筆者プロフィール
山田剛 日本経済研究センター主任研究員。1963年生れ。日本経済新聞社入社後、国際部、商品部などを経て、97年にバーレーン支局長兼テヘラン支局長、2004年にニューデリー支局長。08年から現職。中東・イスラム世界やインド・南アジアの経済・政治を専門とする。著書に『知識ゼロからのインド経済入門』(幻冬舎)などがある。
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