ナチ戦犯追及の裏にモサド

春名幹男
執筆者:春名幹男 2010年9月3日
カテゴリ: 外交・安全保障
エリア: 中東

 サイモン・ウィーゼンタール・センターと言えば、名だたるナチ戦犯の追及で有名な組織だ。ホロコーストの生き残り、ウィーゼンタール氏が立ち上げた。アドルフ・アイヒマンらのナチ逃亡者を探し出すとともに、ネオナチの動きを監視し、ホロコーストの存在を疑問視する著述などにも目を光らせてきた。彼は5年前96歳で死去した。
 そのウィーゼンタール氏がイスラエル情報機関モサドのエージェントだった、という事実が、イスラエル紙ハーレツの著名なコラムニスト、トム・セゲブ氏の新著で明らかにされた。ウィーゼンタール氏は最初、モサドの前身であるイスラエル外務省政治部に雇われ、モサドも引き続き彼を雇ったという。アイヒマンの逮捕については諸説があるが、この本によれば、アルゼンチンに隠れているとの情報は1953年にウィーゼンタール氏がモサドにもたらし、60年に逮捕されたという。
 ウィーゼンタール氏とモサドの関係は別に驚くべき事実ではないが・・・。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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