猛暑で注目を浴びる「植物工場」

執筆者:鷲尾香一 2010年9月8日
猛暑と「植物工場」の関係は?(C)AFP=時事
猛暑と「植物工場」の関係は?(C)AFP=時事

 気象庁は9月1日、2010年夏(6月~8月)が統計を開始した1898年以降で最も暑く、“異常気象”であったと発表した。連日の猛暑は、過去最多となった熱中症患者数はもとより、日常生活に様々な影響を及ぼした。特に、生鮮野菜の価格高騰は家計を直撃した。  農林水産省によれば、全国平均の小売価格は、一時、キャベツが平年比で25%高、レタスは同38%高、トマトは同31%高まで値上がりした。猛暑の影響は、特に葉物野菜と言われるレタスやキャベツなどに大きかった。  こうした生鮮野菜の価格高騰を受け、露地栽培とは異なり、気候や季節に生産量が影響されず、安定的に高品質の生鮮野菜が大量生産できる「植物工場」に注目が集まっている。 「植物工場」は、光や温度、空調などの栽培環境を人工的に制御して野菜などを生産する施設で、植物に必要な養分を培養液として供給する「養液栽培」が主流となっている。施設の種類は、太陽光を利用する施設と人工光のみの施設に大別されるが、太陽光を利用する場合にも、太陽光を補うために人工光を併用するタイプもある。  植物工場の最大のメリットは、何と言っても露地栽培と違い安定的・計画的に生産ができること。そして、大量生産が可能なことだ。例えばレタスでは播種から収穫までが2―3週間で、年間15―20回の収穫が可能だ。  人工光のみの栽培であれば、野菜に太陽光を当てる必要がないため、栽培棚を幾段にも設置でき、狭い敷地でも大量生産が可能となる。その上、密閉型の施設のため、無農薬で高品質の野菜が栽培できる。実際に、(株)スプレッド(京都府京都市)が人工光のみで栽培を行なっている日本最大の植物工場「亀岡プラント」の日産は最大1万8000株で、すでに外食産業、ホテル、スーパー・小売など100社に生産物を提供している。太陽光利用では、JFEライフ(株)(東京都台東区)が「三田グリーンハウス」(兵庫県三田市)と「土浦グリーンハウス」(茨城県土浦市)の2つの工場で年間800トンのサラダ菜を栽培している。

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