復活した「経済財政担当大臣」の仕事は何なのか?

原英史
執筆者:原英史 2010年9月18日
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

 

菅改造内閣が発足した。
閣僚人事の政治的意味合い、「反小沢」云々は、私の専門外なのでコメントを控えるが、今回おやっと思ったのは、「経済財政担当大臣」という呼称が久々に登場したことだ。
 
「経済財政担当大臣」と言えば、すぐに思い浮かぶのは、小泉内閣当時の竹中平蔵氏、その後の大田弘子氏、与謝野馨氏ら。
民主党政権になってからは、この呼称を耳にすることはほとんどなかった。ポスト自体が無くなったと思っていた人もいるかもしれない。
というのも、かつての「経済財政担当大臣」の主な任務は「経済財政諮問会議」の運営。民主党政権になってから「経済財政諮問会議」は事実上休眠状態だったからだ。
 
実は、「経済財政担当大臣」というポストは、民主党政権でも細々と生きながらえていた。
鳩山内閣発足直後は、菅国家戦略担当大臣が兼務、その後、財務大臣横滑りに伴い菅財務大臣が兼務。菅内閣になると、荒井国家戦略担当大臣が兼務した。
要するに、諮問会議が消えて、ごく軽いポストになったので、他の大臣ポストの“オマケ”扱いになっていたわけだ。
 
ところが、今回は、海江田大臣は「経済財政担当、科学技術担当、宇宙政策担当」。
久しぶりに、“オマケ”ではなく、「経済財政担当」を主任務とする大臣が復活したわけだ。
 
もっとも、諮問会議なき今、「経済財政担当大臣」のミッションが何なのか、ちょっとはっきりしない。
「国家戦略担当大臣」との関係も不明だ。
「経済財政担当大臣」の法律上の任務は(内閣府設置法)、
1、短期及び中長期の経済の運営に関する事項
2、財政運営の基本及び予算編成の基本方針の企画及び立案のために必要となる事項
3、経済に関する重要な政策(経済全般の見地から行う財政に関する重要な政策を含む。)に関する事項
 
一方で、「国家戦略担当大臣」も、予算編成の基本方針や重要経済政策を扱うことになるので、両大臣のミッションはかなり重なってしまう。
 
同じフィールドに2人の大臣・・・。連携プレーでプラスになる可能性もあるかもしれないが、一般には、こういうケースは厄介なことになりがちだ。
 
あるいは、それを見越した政治的思惑ある人事だったのか? (「経済財政担当大臣」は、実質的に何もさせず、経済状況が好転しないときに責任負わせるだけのポストなのでないか?)・・・といった憶測は、「政治ウォッチングの専門家」にお任せしておこう。
 
(原 英史)

twitter.com/HaraEiji

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執筆者プロフィール
原英史
原英史 1966年東京都生れ。東京大学法学部卒、米シカゴ大学院修了。89年通商産業省(現・経済産業省)入省。大臣官房企画官、中小企業庁制度審議室長などを経て、2007年から安倍・福田内閣で行政改革・規制改革担当大臣の補佐官を務める。09年7月退職。株式会社政策工房を設立し、政策コンサルティング業を営む。大阪府・市特別顧問、国家戦略特区ワーキンググループ委員(内閣府)、社会保障審議会年金事業管理部会委員(厚生労働省)を務めるほか、NPO法人万年野党理事、「地方議会を変える国民会議」発起人など。著書に『官僚のレトリック』(2010年、新潮社)、『「規制」を変えれば電気も足りる』(2011年、小学館101新書)、『日本人を縛りつける役人の掟/岩盤規制を打ち破れ』(2014年、小学館)、『国家と官僚』(2015年、祥伝社新書)。
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