知人にも尖閣余波の「被害者」が・・・

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2010年9月21日

尖閣諸島の漁船衝突事故をめぐる問題では、日本政府が船長の勾留延長を決めたことで、中国側の「制裁」として、交流事業や日本関連イベントの中止・延期が相次いでいます。

中止・延期になる行事には、党の系統からはっきり指示が出るタイプと、主催者が批判を浴びることを恐れて自己規制するタイプがあるようです。

実は、私の友人のアニメソング歌手も、月末の中国での活動が中止になってしまいました。三つほどステージを予定していたのですが、昨日、「2時間ごとに一つずつ中止の連絡が先方から入った」そうです。海外公演はけっこうめんどくさい事前準備があって、どうにかクリアしてあとは当日を待つだけ、という状態だっただけに、残念さもひとしおのようです。

前々回のエントリで指摘していましたが、船長の身柄について超法規的な釈放も含めた「政治的判断」を中国は期待していました。期待が裏切られ、意趣返しに出たわけです。普通、「政治的判断」というのは、先生が子供に命じるように「しなさい」と言われてするものではなく、大人同士の水面下の根回しのうえで行われなければなりません。中国の要求は外交上の言語としてもかなり「上から目線」で、逆に日本の選択肢を狭めてしまったとも言うことができます。

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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