再処理工場に揺さぶられる日本の原子力

執筆者:新田賢吾 2010年9月29日
エリア: 日本
操業延期を発表した六ヶ所村の再処理工場(日本原燃提供)(c)時事
操業延期を発表した六ヶ所村の再処理工場(日本原燃提供)(c)時事

 もはや「平成の戦艦大和」と呼んでもいいのかもしれない。青森県六ヶ所村に建設中の使用済み核燃料の再処理工場である。建設主体となっている日本原燃は9月10日、18回目の操業延期を発表した。今回は2年というこれまでよりはるかに長い延期であり、2012年10月に運転を開始するという。  そもそも再処理工場とは何なのか?  原子力発電所では原子炉内の燃料棒に充填された核燃料が核分裂反応によって熱を発生させ、それを蒸気の形で取り出し、蒸気タービンを回して発電する。熱を発生させるとともに核燃料の中で燃焼する濃縮ウランは燃えかすになっていく。もちろん原子炉内では燃えかすのなかに含まれるプルトニウムも燃えているが、いずれにせよ燃料棒を取り替えなければ、原子炉内での核分裂反応は弱まっていき、出力を保てなくなる。  燃料はおおむね13カ月に1回の頻度で行なわれる定期点検の際に、3分の1から4分の1ずつを交換して行き、3、4回の燃料交換ですべてが入れ替わる。取り出された使用済み核燃料すなわち燃料棒は、まだ高温であり放射能を出しているため、まず、原子炉に隣接したホウ酸水のプールのなかで冷却保管される。  プールの中には燃料棒を一定の間隔を保って寝かせて保存するラック(棚)がある。燃料棒同士をあまり近づけすぎると、再び核分裂反応が起きてしまうからだ。運転期間が長くなると、プールのなかのラックは次第に埋まっていき、満杯になる。燃料棒を保存するスペースがなくなって、核燃料の交換ができなくなれば、その原子力発電所は運転を止めざるを得なくなる。  そのため、使用済み核燃料をプールから取り出し、何らかの形で処分する必要が出てくる。それには現状でふたつの方法がある。

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