サッカーのブーイングで思うこと

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2010年10月5日

山東省でのサッカー19歳以下代表の日本対UAEの試合があり、日本チームが中国人の観客から激しいブーイングを受けたというニュースがありました。今年のワールドカップでは、けっこう中国人のなかにアジアの代表として日本を応援する声があったとも聞いてましたが、今回の件で「やっぱり中国は反日なんだ」と受け止める向きも多かったと思います。

1998年のワールドカップのときですが、当時、私は福建省のアモイ大学に留学中で、学生寮で暮らしていました。中国の大学では学生の部屋にテレビがありません。体育館に大きなテレビが置かれ、数百人の中国人学生と一緒に、日本対クロアチア戦を観戦しました。

クロアチアは中国にとってあまりなじみのない国です。一方、日本はおとなりの国。深く考えずに、一緒に日本を応援するんだろうと思いこんでいたら・・・。日本のミスには大拍手。クロアチアの得点では全員が立ち上がって歓声を上げ、勝利の瞬間にはクラッカーまで鳴らされました。

このとき、「若者がこうなんだから、この国と日本は、当分、本当の友人にはなれないんだろうな」と強く感じました。あれから12年が経ちますが、中国でのブーイングのニュースを聞くたびに、その「原体験」を思い起こして、いや~な気分になります。それにしても、なぜ、サッカーの試合でいつも日本が中国人の観衆にたたかれるのでしょうか?

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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