日本の尖閣対応について米国はどう見ているか?

執筆者:渡部恒雄 2010年10月8日
エリア: 北米 アジア

 今回の尖閣問題での菅政権の対応について、日本国内であまりにも評価が低すぎるのが気になる。もちろん、私も今回の菅政権の対応を手放しで称賛はできないが、しかしながら、初心者(いろんな意味で)の割には難しい問題を最悪の状況にせずになんとかマネージしていることは、きちんと評価しないといけないと思う。例えば国際世論を広くみても、日本の評判は大きくは傷ついていないし、むしろ、中国が失ったもののほうが多いことがわかる。このあたりの大局観は、日本のメディアだけを見ていてはだめで、米国の報道や、オバマ政権の担当者の菅政権への評価を見ていないとわからない。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
渡部恒雄(わたなべつねお) わたなべ・つねお 笹川平和財団上席研究員。1963年生まれ。東北大学歯学部卒業後、歯科医師を経て米ニュースクール大学で政治学修士課程修了。1996年より米戦略国際問題研究所(CSIS)客員研究員、2003年3月より同上級研究員として、日本の政治と政策、日米関係、アジアの安全保障の研究に携わる。2005年に帰国し、三井物産戦略研究所を経て2009年4月より東京財団政策研究ディレクター兼上席研究員。2016年10月に笹川平和財団に転じ、2017年10月より現職。著書に『大国の暴走』(共著)、『「今のアメリカ」がわかる本』、『2021年以後の世界秩序 ー国際情勢を読む20のアングルー』など。最新刊に『防衛外交とは何か: 平時における軍事力の役割』(共著)がある。
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