最大の争点「雇用・経済問題」に苦しむ民主党

足立正彦
執筆者:足立正彦 2010年10月12日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米 中東

 大統領選挙が行われる年の選挙では米国が内外において直面している多岐にわたる問題について議論されるために、複数の争点が浮かび上がる傾向にある。だが、中間選挙の争点については有権者の関心が一つに収斂されがちなのが特徴だ。

 米国同時多発テロ事件やアフガニスタン戦争開戦の翌年に行われた2002年中間選挙のキャンペーンでは、ブッシュ政権と共和党は「対テロ戦争(“War on Terror”)」を前面に打ち出すとともに、同政権の立法措置に抵抗していたトム・ダシュル民主党上院院内総務(当時)らを「議事妨害者(“obstructionist”)」と繰り返し批判した。その結果、共和党は上院で2議席、下院で8議席それぞれ議席を伸長し、異例の勝利を収めた(政権発足後初の中間選挙では与党が敗北するのが慣例。2002年中間選挙以外で与党が勝利した中間選挙は20世紀では1902年、1934年、1998年の3度のみ)。

 4年前の2006年中間選挙では「イラク戦争」が主要争点であった。民主党からはイラク戦争に従軍経験のある元兵士が下院議員候補として出馬し、ブッシュ政権の対イラク政策を批判するなど、イラク戦争に進展が見られない世論の苛立ちや不満が如実に反映された中間選挙となった。選挙では民主党が上下両院で勝利し、12年振りに上下両院で多数党に復帰することとなった。中間選挙直後にブッシュ大統領(当時)がイラク戦争開戦を主導したドナルド・ラムズフェルド国防長官の辞任を発表したことは、2006年中間選挙の主要争点を考えるうえで非常に象徴的であった。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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