ますます鮮明になりつつある米政治の「分極化」

足立正彦
執筆者:足立正彦 2010年11月18日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 今月7日から米東海岸の主要都市を訪れており、ボストン、ニューヨークシティを経て、現在、ワシントンD.C.に滞在している。今月2日に実施された中間選挙の意義と今後の政策展望等に焦点を当てて民主党ならびに共和党の関係者、元政府関係者、シンクタンクの米国政治専門の上級研究員らと意見交換を重ねている。オバマ大統領もアジア歴訪からホワイトハウスに戻り、また、今月15日(月)からはレイムダック会期が始まるとともに、来年1月開会の第112議会に向けた共和、民主両党の動きも慌ただしさを増している。

 今日(米国東部時間17日)、下院共和党ではジョン・ベイナー共和党下院院内総務が次期下院議長となることが共和党下院議員総会において全会一致で決定された。他方、下院民主党でもナンシー・ペロシ下院議長が次期民主党下院院内総務に就任することが民主党下院議員総会で賛成150票、反対43票の賛成多数で決定されている。

 共和党は下院で4年振りに多数党に復帰することになるが、今回の中間選挙で初当選を果たした共和党下院議員は現時点で83名に達しており、そのうちの半分に相当する約40名はティーパーティ(茶会党)の支援を受けた共和党下院議員だ。今年7月に共和党下院議員約25名が「茶会党議員連盟(Tea Party Caucus)」を結成しているが、今回の中間選挙の結果、さらに約40名の茶会党の支援を受けた議員が当選を果たしたことで、下院共和党における力学が従来までとは大きく変化することは必至だ。中間選挙キャンペーンでは連邦政府支出の削減、「小さな政府」の実現を繰り返し訴えてきて当選を果たした茶会党支援の共和党議員らは、自らの選挙公約を取り下げることはなく、政治的妥協や譲歩を徹底的に排除しようとすると予測される。彼らは妥協的姿勢を示してきた穏健派共和党議員を厳しく批判してきた勢力である。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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