中国で増えている「傍傍族」ってなに?

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2010年12月11日

尖閣諸島問題をめぐる中国の反日デモで、参加している多くの若者が「蟻族」である、と話題になりました。蟻族とは、高学歴なジョブレスのことで、いい大学を出ても就職先がなく、都会の共同住宅とかアパートの小さな住居に蟻が巣を作るように身を寄せ合って日雇いなど不安定な仕事をしながら鬱憤をためている若者が多く、反日デモでストレスを発散している、ということでした。

中国には時勢を反映した人間のグループが出現します。80年代以降生まれは「80後」、90年代以降は「90後」で、世代間の行動様式や思想の違いが指摘されます。ホワイトカラーは「白領族」、海外留学帰りの人々は「海亀族」などと呼ばれて、時々の話題をさらってきました。

最近、中国の新聞で「傍傍族」という言葉を発見しました。読み方は「パン・パン・ズー」。日本語に訳すのが難しいですが、何事にも他人頼みで親戚や知人のコネでうまくやろうとする人間たちのことを指します。「傍」という中国語は、「頼る」「寄りかかる」などの意味があります。

「傍傍族」が増えているようで、ある世論調査では57%の人が「自分の身の回りに傍傍族がいる」と答えています。社会学者は「格差や失業などで社会に不安感が広がり、他人に頼りたい心理が強まっている」と論評していました。

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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