力強い回復を遂げる中南米経済に立ちはだかる課題

遅野井茂雄
執筆者:遅野井茂雄 2010年12月15日
エリア: 中南米

 13日発表された国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(CEPAL)の速報値によれば、2010年の中南米経済はGDP比6%の成長を達成し、マイナス1.9%に落ち込んだ09年から力強いV字回復を遂げた。ペルー(8.6%)、アルゼンチン(8.4%)、ブラジル(7.7%)などが資源需要と旺盛な内需に支えられ高成長を遂げ牽引した結果だが、ベネズエラがマイナス1.6%のほか、ボリビア、エクアドルが3%台と、急進左派政権の実績との間に差が出てきたのが特徴である。(Balance Preliminar de las economías de América Latina y el Caribe 2010, www.cepal.com)

 また先月30日に同経済委員会から発表された『2010年ラテンアメリカ社会開発報告』によれば、地域全体の貧困人口は総人口比32.1%、1億8000万人で、2008年の水準まで改善した(Panorama social de América Latina 2010, www.cepal.com)。リーマン・ショックで若干足踏みしたが、2002年以降の年率5%を超す経済成長と強力な社会政策による貧困削減、格差是正の基調に戻ったと言っても過言ではない。

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執筆者プロフィール
遅野井茂雄
遅野井茂雄 筑波大学大学院教授、人文社会系長。1952年松本市生れ。東京外国語大学卒。筑波大学大学院修士課程修了後、アジア経済研究所入所。ペルー問題研究所客員研究員、在ペルー日本国大使館1等書記官、アジア経済研究所主任調査研究員、南山大学教授を経て、2003年より現職。専門はラテンアメリカ政治・国際関係。主著に『21世紀ラテンアメリカの左派政権:虚像と実像』(編著)。
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