アフリカの国家は本来なすべき政策を実行してこなかった。それゆえ開発が進まず、貧困化が起こった--という議論は、1981年に世界銀行が初めて公にし、現在では定説になった。
それまでアフリカ諸国は、植民地主義とそれに続いた新植民地主義がアフリカを低開発に押し込めていると主張していた。つまり、先進国が悪いという「南北問題」時代の論法だった。開発がうまくいくかどうかの一義的責任は各途上国政府にあるという議論、すなわち「開発オーナーシップ」の議論は、最初から了解されていたのではなく、じつは案外新しいのである。
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