レイムダック会期で浮上した共和党内の対立要因

足立正彦
執筆者:足立正彦 2010年12月27日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 今月17日、オバマ大統領は追加経済対策法案(H.R.4853)に署名し、同法が成立した。追加経済対策を巡っては、富裕層も対象にする「ブッシュ減税」の延長を受け入れたオバマ大統領と、反対する民主党リベラル派議員との対立に注目が集まったが、共和党内でも亀裂が表面化した。「ブッシュ減税」の2年間延長や失業保険給付の13ヶ月延長を柱とする追加経済対策法は、オバマ政権発足直後の昨年2月に成立した総額7870億ドル規模の大型景気刺激策「2009年米国再生・再投資法(ARRA)」を上回る総額8580億ドルとなっており、その賛否を巡り共和党有力政治家の立場の違いも鮮明になった。

 ミッチ・マコーネル共和党上院院内総務(ケンタッキー州選出)や来月に次期下院議長に就任するジョン・ベイナー下院共和党院内総務(オハイオ州第8区)ら議会共和党指導部は、ブッシュ減税が年末で失効した場合、米経済は再び失速して「二番底」に陥りかねず、また、「ブッシュ減税」の失効は実質的な増税になるとして、オバマ大統領、民主党との妥協に応じてH.R.4853の成立を図った。ニュート・ギングリッチ元下院議長、来年1月に任期満了でミネソタ州知事を退任することになっているティム・ポーレンティー、マイク・ハッカビー元アーカンソー州知事といった共和党有力政治家は、米経済にとり追加経済対策は不可欠であるとして支持を表明し、議会共和党指導部の民主党との今回の政治的妥協に理解を示す姿勢を明確にした。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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