日本人拘束事件が日朝交渉にもたらす波紋

2000年1月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 朝鮮半島 日本

 元日本経済新聞記者・杉嶋岑氏が北朝鮮訪問中にスパイ容疑で身柄を拘束された問題は、拉致問題を始めとする今後の日朝交渉に影響を与えそうだ。杉嶋氏に関しては、「よど号グループ日本人妻の支援者」(外交筋)との見方がある一方で、北朝鮮が日本の情報当局との関係を指摘しているからだ。「北朝鮮の駐中国大使が会見で述べている通り、杉嶋氏は情報機関から何らかの形で金銭を受け取って活動していた可能性がある。問題は諜報活動の訓練を受けていない素人が捕まったという二と。尋問で関係を全て明かしてしまったとすれば、北朝鮮が外交カードとして使ってくるのは確実」(事情通)である。 日本人がスパイ容疑で拘束される事件は、過去二、三年の間にも北朝鮮の自由経済貿易地域である羅津・先鋒などで起きてはいるが、こうしたケースでは、一週間以内の拘束でカメラ類を没収されて釈放というのが常だった。 しかし、杉嶋氏の場合、北朝鮮から「狙い打ちされた」(前出・事情通)疑いが強い。たとえ日本が情報当局との関連を否定しても拘留は長引く模様で、日朝交渉でのマイナス材料になるのは間違いない。

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