南北朝鮮の境界に環境学者がなぜか注目

2000年1月号
カテゴリ: 国際
エリア: 朝鮮半島

 米国の対北朝鮮政策が軍事・政治から経済にシフトするなか、環境分野でも朝鮮半島に関心が集まっている。現在、米国で論議されている北朝鮮の環境問題で最も関心の高いのは、韓国と北朝鮮の国境線に当たる非武装地帯(DMZ)について。一九五三年の休戦以降、侵入禁止とされてきた幅四キロ、長さ二百五十キロに及ぶこの山脈は、数少ない天然動植物の宝庫といえる。 学界報告によると、DMZには五十一種類の哺乳類をはじめ、あらゆる動植物が生息しているという。このなかには日本と韓国で絶滅、あるいはそれに近いシベリア虎と丹頂鶴も含まれる。しかし、DMZは二百万人にのぼる南北の兵士が対峙する「軍事作戦地域」であり、韓国、北朝鮮、駐韓米軍からそれぞれ許可を受けなければ入ることができない。 ところが、最近の米朝の和解ムードで状況が一変、立ち入りが許されそうだ。現在、立ち入りに最も近い立場にいるのは、ナショナル・ジオグラフィック社で、既に九九年末に南北両政府から許可を得ている。だが、DMZを年間を通して取材したい同社と、二回しか立ち入りを認めないという北朝鮮の意見が噛み合わず、調整は難航している。

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