アジアに芽生えるアメリカ離れ

執筆者:鈴置高史 2000年1月号
カテゴリ: 国際 金融

昨年十一月にマニラで開かれた「東アジア十三カ国首脳協議」は、日本での注目度は低かったが、政治的な意味は意外なほど大きい。そこからは、経済危機を通じて米国一辺倒の危うさを知ったアジア諸国の、静かな米国離れの兆候が見て取れる――。[香港発]「あの会議を契機に、ひょっとするとEAEC(東アジア経済協議体)が生まれるのだろうか」――。 最近、アジアを研究する学者やジャーナリストの間で、こんな議論が交わされるようになった。「あの会議」とは「東アジア十三カ国首脳協議」。昨年十一月末、東南アジア諸国連合(ASEAN)十カ国の首脳会議に加わる形で、日本、中国、韓国の北東アジア三カ国の首脳がマニラに集まった。ちなみにEAECは九〇年末にマレーシアのマハティール首相が設立を主張した経済共同体。米国抜きの枠組みだったために同国の怒りをかい、アジアと米国に挟まれ困惑した日本も無視し、結局は立ち消えになった構想だ。 東アジア十三カ国首脳協議には、総選挙のため欠席したマハティール首相を除き、東アジアの首脳が初めて一堂に会した。初の十三カ国首脳共同声明では「東アジア経済の一体化に向け緊密な対話に乗り出すこと」をうたった。新聞の大見出しになるような具体的な内容はなかったが、この協議が成立したこと自体に意味がありそうだ。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順