福岡流通戦争 激烈な競争が流通革新を生む

執筆者:水木楊 2000年1月号
カテゴリ: 社会 金融
エリア: 日本

 九州は福岡市――。週末ともなると、「かもめ族」が大挙して押し寄せてくる。長崎方面から特急「かもめ」に乗って、買い物や遊びにやってくる若者たちのことである。「天神一泊格安ツアー」という新聞の折り込み広告が佐賀や熊本で盛んに配られており、地元の商店街を嘆かせている。 福岡の地元金融機関が福岡県以外の九州地区に住む十五歳から五十九歳までの人を対象にアンケート調査したところによれば、九八年一年間に福岡市にやってきた回数は、佐賀県が一番多くて六・五回、長崎四・一回。大分四・五回に達した。福岡に来る人の数は延べで年間二千二百万人にのぼる。 彼らの大部分がやってくるのは、歩けばわずか六、七分で突き抜けてしまいそうな天神地区。天神交差点から渡辺通りを南下すれば、地元資本の岩田屋本館から始まって、福岡三越と続き、道路を隔てて博多大丸が並ぶ。福岡三越の西には西鉄資本の専門店街「ソラリア・プラザ」があって、背後に岩田屋の経営する「Z-SIDE」が控え、その周辺に専門店の群がひしめく。 この狭い空間に百貨店だけでも三つ。一九九六年春から九七年十月までわずか一年半の間に、その売り場面積が一気に二・七倍に拡大したのだ。目下、喰うか喰われるかの激烈な競争を展開中である。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順