【今月の2冊】 興行をビジネスにした黒衣たちが綴る内幕手記

執筆者: 2000年1月号
タグ: 日本
エリア: アジア

「ハイテクや金融の分野と同様に、欧米のライブ・エンタテインメント業界では新規参入と革新が繰り返され、業界地図やビジネスのルールは転変を続けている」(秋山弘志、北谷賢司『エンタテインメント・ビジネス』新潮社刊 一三〇〇円)

 ローリング・ストーンズ、マイケル・ジャクソン、マイク・タイソンなど、海外の超大物アーティストやスポーツ選手を、いかにして東京ドームに招聘し、興行を成功させてきたか――。本書は、いわゆる「外タレの呼び屋」として、直接の交渉に当たってきた二人の黒衣のビジネス手記である。

 著者の二人は、東京ドームの興行責任者を長年務めてきた秋山氏と、米国の大学教授でありながら、この分野に携わった北谷氏。その異色の組み合わせ自体も興味深いが、何といっても最大の読み所は、海外の辣腕プロモーターや弁護士を相手に、二人があらゆる経験を生かし、知恵や人脈を駆使してタフな交渉をする、その経緯だ。

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