早くもマスコミを敵に回したプーチン氏

執筆者: 2000年2月号
エリア: ヨーロッパ

 ロシア連邦政府軍と武装勢力の戦闘が続くチェチェン共和国で、政府軍に批判的な報道をしていた記者がロシア側に拘束され、捕虜のロシア軍兵士と交換に武装勢力側に引き渡された“事件”が発覚、大問題になっている。

 武装勢力側に引き渡された記者は、米国系のラジオ局「ラジオ・リバティ」のロシア人記者であるバビツキー氏。同氏は首都グロズヌイの戦闘の模様を武装勢力側の立場から伝え、一月下旬にロシア政府軍に拘束された。その後、政府軍が武装勢力側の提案に応じ、同記者をロシア兵捕虜と交換したことが発覚した。ロシアのマスコミ業界が猛反発する中、プーチン代行に近いとされるチュバイス元第一副首相までが「この事件はプーチン政権にマイナスの影響を与える」と断言。若手改革派議員グループの「右派勢力同盟」などはプーチン政権を非難するとともに、この事件の徹底追及を求め始めた。

カテゴリ: 政治
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