米国も戸惑うプーチンの謎

執筆者:藤村幹雄 2000年2月号
カテゴリ: 国際 金融
エリア: ロシア 北米

「KGBの忠実な息子」という横顔が浮かび上がってきたが……[ワシントン発]英BBC放送が「灰色の枢機卿」と評した次期ロシア大統領の最有力候補、ウラジーミル・プーチン大統領代行(四七)について、中央情報局(CIA)など米国の情報機関は今、躍起になって情報収集・分析作業を行なっている。仇敵の旧国家保安委員会(KGB)出身とあってはCIAに力が入るのも当然だが、テネットCIA長官は二月三日の議会公聴会で明解な証言をしておらず、謎の人物の解明は困難を極めているようだ。 九一年のソ連邦解体を予測できなかったことを、いまだCIAは最大の汚点として忘れていない。冷戦初期の一九四七年に発足したCIAはソ連分析を最大の任務としたが、ソ連末期の経済・社会混乱を読み切れず、ゴルバチョフ政権は安泰とする分析を当時のブッシュ大統領に送り続けた。CIA長官出身の同大統領はCIAの情報を過信し、最後までゴルバチョフ氏に固執、エリツィン氏や改革派の台頭を放置し、対ロ外交で遅れを取った。 ソ連解体後、CIAのソ連部門はリストラされ、多くのソ連分析官が国務省など他の省庁に転出。彼らは“窓際”を強いられている。クリントン大統領らホワイトハウスは毎朝届けられるCIA報告を軽視しており、CIAの地盤沈下が進んだ。それだけに、CIAにとってプーチン情報収集には汚名返上が掛かっている。

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