材料不足は否めない首相秘書官のスキャンダル

2000年2月号
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

 憲政史上初の野党抜きの施政方針演説で幕を開けた国会だが、予算委員会論戦の目玉が、古川俊隆首相政務担当秘書官のNTTドコモ株疑惑というのもお寒い限りだ。しかも攻撃する民主党のネタ元は週刊誌の記事で、九八年十月にも民主党は同じ質問をしたというのでは寒さも極まれり、だ。 疑惑をざっと説明すると、二十数年前、群馬県で設立されたポケベル会社の社長から依頼されて株を古川秘書が購入。やがてその会社がNTTドコモに吸収されたため、現在の時価総額で二十億円を超えるNTTドコモ株を保有することになった。しかし株の譲渡証明書などがないことから、騙し取られたものだと社長側が訴えた、という内容。 当の古川秘書は「二十数年前のことで資料も十分にない」としながら、すでに週刊誌を刑事告訴している。しかも肝心の会社社長は既に故人で、訴えているのは遺族。「死人に口なし」のうえに週刊誌の記述にも誤りがあると古川秘書は強気だ。青木幹雄官房長官も「国会で質問してもらったほうがスッキリする」と受けて立つ構えだ。 成り行きいかんでは、「早期解散の導火線に」と意気込んでいた民主党だが、材料不足は否めない。しかし古川秘書が気心の知れた政治部記者の取材以外に応じず、社会部記者などを敵に回し、物議を醸している。

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