深層レポート 日本の政治 (2)

民主党との我慢比べに勝った小渕官邸

執筆者: 2000年2月号
タグ: 日本
エリア: アジア

「国会は『がまん比べのチキンレース』になってきた」(一月二十七日、朝日)

「どちらが先に折れるかという『チキンゲーム』と化している」(一月三十一日、読売)

 一月二十日の通常国会開幕早々、衆院議員定数削減問題で激突し、小渕恵三首相の施政方針演説もそれに対する代表質問も野党が全面ボイコット、与党が単独で衆参両院本会議を強行するという憲政史上例のない混乱を引き起こした与野党攻防を、新聞各紙は皮肉を込めてそう評した。

 チキンゲームとは、一直線上に向かい合って互いに猛スピードで車を走らせ、どちらか先にコースを避けた方が負けという危険この上ないゲームのこと。どちらも譲らなければ正面衝突、死が待っている。「運転技術を競う」などという高尚な目的があるわけではない。「チキン(弱虫)」と蔑まれたくない、ただそれだけのために命を懸けるのである。米国映画の無鉄砲なヒーローよろしく、この目を背けたくなるようなゲームに手を染めたのは我が選良たちだった。

カテゴリ: 政治
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top