現実味を増す「新石油危機」に備えよ

執筆者:五十嵐卓 2000年3月号

資源・エネルギーの需給は、さらに逼迫の度合いを増すだろう。一方でその供給先は、再び中東への集中が進みつつある。新たなリスクが浮かび上がる中、日本はいかなる戦略を再構築すべきなのか。「資源エネルギーの新地政学」最終回・特別篇。 世紀末。インターネットが繁茂する蔦のように地球を覆い、「デジタル・エコノミー」や「ネット・ビジネス」が世界経済を代表する言葉となる中で、オールド・エコノミーを象徴する原油やレアメタルの価格急騰が、世界を慌てさせている。 オールド・エコノミーの逆襲と言えばあまりに漫画的すぎようが、インターネットで航空券は販売できても旅客機が飛ぶには燃料が必要であり、ネット上で本やCDは買えても自宅に届けてくれるのは宅配便の軽トラックだ。そうした当たり前のことを、世界は改めて確認しているのかもしれない。 GDPの一原単位を生み出すのに使うエネルギー量をみると、米では現在の必要量は七三年の第一次石油危機の時に比べおよそ半分に減少している。エネルギー効率の改善や経済のソフト化のおかげだが、GDP自体が数倍に膨れ上がれば、経済全体で消費するエネルギー量は当然増大する。実際、過去十年間でデジタル・エコノミーが急進展した米でも、一次エネルギー消費は約一三%も増加している。

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