「新疆ウイグル自治区」独立運動いまだやまず

執筆者:立山良司 2000年3月号
エリア: アジア

「中国西部の新疆ウイグル自治区では甚大な人権侵害が続いている。侵害の主たる犠牲者はイスラム教徒住民の多数を占めるウイグル人だ」――一九九九年四月に出された新疆ウイグル自治区に関するアムネスティ・インターナショナルの報告書は、このような表現で始まっている。 新疆ウイグル自治区は中国に五つある自治区の一つだが、一九九〇年代に入りウイグル人による独立運動が激化し、暴動や官憲との衝突事件がたびたび発生している。『ワシントン・ポスト』紙によると、今年一月にもキルギス国境に近いアクスーで武装グループと治安部隊が銃撃戦を展開した。一九九七年二月にはカザフスタン国境近くの町クルジャ(イーニン=伊寧)で大規模な暴動が発生し、約百人が死亡したといわれている。

カテゴリ: カルチャー
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