eビジネス時代の企業防衛術

執筆者:大木栄二郎 2000年3月号

もはやインターネットなしの経済活動は考えられない時代になった。ハッカーが横行する中、いかにコンピューター・セキュリティを確保するべきか。 今年に入って、科学技術庁、総務庁、運輸省など官公庁のホームページがハッカーに侵入され書き換えられるという事件が起き、二月にはヤフー、アマゾン・コム、バイ・ドット・コム、eベイ、Eトレードといったアメリカを代表するネット企業がハッカーの攻撃を受け、数時間利用できない状態に陥った。日米での出来事はともに「ハッカー」事件と括られるが、その性質はかなり様相を異にするものだった。 日本のホームページ書き換えは、ハッキングとしては初期段階のものにすぎず、コンピューター・セキュリティに対する意識が十分に高まっていない日本社会に、いいタイミングで警鐘を鳴らしてくれたともいえる。折しもハッキングを犯罪とする「不正アクセス禁止法」の施行直前でもあった。 しかし、アメリカで起きたサービス妨害は、特殊技術を使って数多くの他人のコンピューターを動員し、情報が価値をもって動くネット社会で、実際に企業とユーザーに莫大な損害を与えた悪質な事件だった。そしてまた、こうした形で実害を与え得るということは、それが脅迫の材料になりうるということでもある。つまり、「グリコ・森永事件」のような脅迫事件がサイバースペースでも起こりうる、ということを示したのだ。

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