【今月の2冊】 アイデンティティに「揺れる」イスラエルの今日の姿

2000年3月号
カテゴリ: 国際 書評
エリア: 中東

「『ユダヤ』とは結局、『ユダヤ教徒』なのか、『ユダヤ人』ないし『ユダヤ民族』なのかという論争は、イスラエル内外でずっと続いているし、そのことがイスラエル社会やディアスポラのユダヤ人社会のあり様をさまざまに規定している(後略)」(立山良司『揺れるユダヤ人国家』文春新書 六九〇円) ユダヤ陰謀史観は極端な例ではあるが、「イスラエル」という国家についての日本人の思考は、「ユダヤ教を熱心に信じる民族の国」「アラブ諸国と激しい対立を続けている国」とのステロタイプなものにとどまる傾向にあるのではないだろうか。そんな固定概念を覆してくれるのが、本誌の「新宗教世界地図」の連載でもおなじみの立山良司氏の新刊である。

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