「六月総選挙」で固まった本当の理由

2000年4月号
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

 小渕恵三首相(当時)が脳梗塞で退陣したため、後継首相に森善朗幹事長(同)が就任、四月五日に森内閣が発足したが、衆院解散・総選挙は森氏の意向にかかわりなく「六月総選挙」で与党は固まってしまった。 自民党の野中広務幹事長、青木幹雄官房長官の小渕派コンビは、「五月連休明け解散―六月総選挙」を準備するよう派内に指示し、特に竹下登元首相が出馬する衆院島根二区の選挙態勢を急ぐよう求めた。森派会長の小泉純一郎元厚相も「各派の意向がそうなら」と早期解散説に同調。これまで七月の沖縄サミット後の解散を主張してきた公明党の神崎武法代表もこうした動きを容認しているという。 早期解散の流れは、森内閣が小渕前内閣の全閣僚をそのまま引き継いだのと裏腹の関係にある。森氏が自前の組閣や人事に着手するには衆院選とサミットを共にこなさねばならないからだ。それにはサミットに命を懸けていた小渕氏への同情ムードを利用する方が得策だとの判断がある。幸いサミット関連行事の外交日程にすき間があり、自民党各派は連休前後に政治資金パーティーを予定、若手や新人の兵糧も大丈夫とされる。 表向きには、自由党の小沢一郎党首らが連立を離脱したことで連立政権の枠組みが変わり、二代続けて国民の信を得ない首相が続くことへの批判に応える意味もある。ただ、党内でささやかれる最大の裏事情は森氏の資質。「ノミの心臓」「サメの脳味噌」といわれ、失言癖もある森氏のボロが出ないうちに解散してしまえ、というわけだ。

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