自己崩壊に近づいた「米国株バブル」

執筆者:小暮史章 2000年5月号
エリア: 北米

米国を襲った株価下落が世界的な連鎖を呼んでいる。グローバル資本主義の危機は、さらに現実味を帯びはじめた。高株価に依存した経済システムの盲点とは何か。そして日本は最悪のリスクを防げるのか――。「マネー市場『神々の乱心』」特別篇。 パックス・アメリカーナ・パート2(米国による新たな世界支配)を支えてきた神々が、黄昏時を迎えている。ニューエコノミー(新しい経済)の象徴だったナスダック(米店頭株式市場)が乱高下し、巨大ヘッジファンドが次々と失速する。そして司祭であるグリーンスパン米連邦準備理事会(FRB)議長の経済政策運営の手腕にも、陰りが見え始めた。「今のインターネット投資熱は、狂気の域に達している。それは、いずれ崩壊する詐欺的な投資環境を、知らず知らずのうちに形成している。私はこの市場を理解できない。顧客の投資資金を危険にさらすわけには行かない――」 やはり、「敗軍の将」の言葉には聞くべきものがある。今年三月末に自らのファンドの清算を決めた、タイガー・マネジメントのジュリアン・ロバートソン会長(六七)は、清算の発表に際して顧客たちにこう書き送った。 ロバートソン氏は米証券のキダー・ピーボディ出身で、八〇年にヘッジファンドであるタイガーを作った。業績の裏付けのある割安株に投資する「バリュー株投資」を身上とし、九六年には預かり資産の五〇%、九七年には七〇%強の運用成績をあげていた。

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