ナスダック・ジャパンが水面下で進める極秘戦略

執筆者:足立紀尚 2000年5月号
エリア: 日本

 ゴールデンウィーク明けの五月八日、米国店頭株式市場(ナスダック)による日本市場「ナスダック・ジャパン」への上場申請が、大阪証券取引所で始まった。この日、東証二部、店頭株市場からの「転籍組」を含む、東京、名古屋、大阪の上場申請企業八社が正式に発表された。六月十九日の取引開始に向けて、環境を整えつつあることをアピールした。「ナスダック・ジャパンでは、上場維持のために年間一億円ものコストが必要らしい」 この数カ月間、市場で飛び交ったさまざまな噂や憶測のひとつに、このようなものがあった。米国ナスダックの公開基準やノウハウをそのまま日本に持ち込んでいるナスダック・ジャパンは、公開する企業に、四半期ごとの業績報告という異例の厳しい情報開示ルールを求めている。「一億円」の噂は、この業績報告書に日本語と併せて英語による記述説明が盛り込まれるらしいが、そうなれば資料作成コストは、従来のものと比べてかなり高くつくものになるという話からだった。 今回は見送ったものの、たしかにナスダック・ジャパンは内部でそうした検討を重ねていた。しかし、噂はどうやら目下、ナスダック・ジャパンが活発に行なっている既存の株式上場企業への切り崩し営業から、国内の既存市場が「予防線」を張る意味合いで流れた情報のようだ。

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