「核開発」の不安を広げるインドとイスラエルの接近

2000年5月号
カテゴリ: 国際

 インドとイスラエルが軍事協力関係を急速に強化させている。三月にはインド海軍のミサイル搭載フリゲート艦「ゴムティ」や駆逐艦「ランビール」など三隻がイスラエル南部のエイラート軍港を五年ぶりに親善訪問、蜜月関係を印象づけた。 きっかけとなったのは、昨年五―七月のカシミール紛争。警戒の不備から親パキスタン・イスラム武装勢力による支配地域への侵攻を許したインド軍は、パキスタンとの実効支配線(停戦ライン)や国境線の監視強化の必要性を痛感。イスラエル製の高高度無人偵察機「ヘルメス」に着目し、近く導入することで大筋合意した。インドとイスラエル国内でのデモ飛行も密かに実施済みだ。 ただ、軍事交流が通常兵器にとどまらず、核兵器やミサイル開発分野に及ぶ可能性もあり、主要国の間では懸念も高まっている。イスラエルはすでに数百発の核弾頭を保有しているとみられるが、周辺国への配慮などから核実験には踏み切っていない。インドの核実験データがイスラエルに渡れば、イスラエルが核開発を一層加速化させるばかりか、周辺のイスラム諸国を大きく刺激しかねず、中東地域の新たな不安定要因となる恐れもある。

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