電機業界で相次いだ社長交代劇の背景

2000年5月号

東芝、松下、ソニーともにIT時代のビジネスモデルの構築が課題だが…… 日本を代表するハイテク企業である東芝と松下電器産業、ソニーの三社が相次いで社長交代に踏み切る。日本の産業界の成長の牽引役を担うIT企業の社長交代だが、いずれも新鮮味に欠けるトップ人事だった、といえよう。三社の改革路線はまだ始まったばかり。新社長はネット時代に対応したビジネスモデルの構築という大きな課題を引き継ぐことになる。「世界のIT産業で勝ち抜くためには若くてエネルギーに満ちたトップが必要だ」――ソニーの大賀典雄会長など日本の電機・情報企業のトップは一般論としては常にこう話していた。四十代前半のマイクロソフトのビル・ゲイツ会長の例を引くまでもなく、四十代や五十代前半のトップが猛烈に働く欧米企業に対抗するには、年功序列で成り上がる社長ではとても無理だ。ところが、今回の社長交代は「若返り」とは無縁だった。 三人の新社長のうち、東芝の岡村正上席常務と松下の中村邦夫専務はともに、昭和三十七年の入社。就任直後にそれぞれ六十二歳、六十一歳になる。ソニー新社長の安藤国威氏も五十八歳。三人とも従来の年功序列型昇進システムの中では「本命」候補だった。

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