銀行再編の余波に揺れる流通大手

2000年6月号
エリア: 日本

そごう、マイカル、ダイエー、セゾン――。なぜ事態は悪化しているのか「あの報道は本当か」――。五月二十五日の夕刻、大阪と東京にある、そごうの管理部門は異様な緊張に包まれた。民放のニュース番組が「日本長期信用銀行(現・新生銀行)が、大口融資先であるそごうの債権放棄を拒否する」と報じたのである。 そごうは去る四月六日、グループ国内店舗の再編や人員削減などを柱として、十二年でグループの借入金を一兆円削減するという再建計画を発表。同時に取引銀行七十三行に対し、総額六千三百九十億円の債権放棄を要請した。だが六月九日現在、債権放棄受け入れを表明しているのはメーンバンクの日本興業銀行のみ。当初は五月末までに各行からの合意取り付けを目指したものの、五月二十六日には六月末に目処を先送りしている。 そごうの生殺与奪の権を握っているのは、長銀から生まれ変わった新生銀行だ。同行はそごうの準メーン行。要請された債権放棄額は九百七十億円で、メーンバンク・興銀の千八百一億円に次ぐ。いまのところ態度を保留している新生銀だが、このまま債権放棄を拒否すれば、そごうの破綻はたちまち現実味を増してくる。 六月七日の計画見直しで、興銀が放棄額を九十二億円増した背景にも調整役として新生銀の合意をうながす意味合いがあったようだ。もっともこれでケリがつくと見る関係者は少ない。新生銀側が問題にしているのは、「再建計画の杜撰さ」(新生銀幹部)だ。

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