【今月の2冊】 あまりにも現実的な「金融危機」の物語

2000年7月号
エリア: 日本

「ペイオフ延期論というものの本当の根源を突き詰めると、政府不信論に突き当たる。こいつは本当に深刻な問題だ。いくら政府が大丈夫だと連呼しても信用できないと国民は心の奥で考えてしまっているのかもしれない。そういう意味で、このペイオフ問題は、日本政府自体が問われているのさ」(木村剛『通貨が堕落するとき』講談社刊 一八〇〇円) フィクションと呼ぶにはあまりにも現実的な経済小説である。 物語は一九九七年十月、倒産寸前の「大洋証券」に対する資金提供を「北嶋證券」に求める大蔵官僚の電話から始まる。しかし、当局の恫喝にも民間は動かず、大洋証券はインターバンク市場でデフォルトを起こす。そして長い長い金融危機のドラマが幕を開ける。

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