岐路に立つ“ゲーム界の巨人”任天堂

執筆者: 2000年7月号
タグ: 日本
エリア: アジア

役員交代が示す二十一世紀戦略とは何か

 株式時価総額二兆六千億円。現預金五千九百四十億円、グループ従業員二千二百人。「社員が十年間何もしなくても食っていける」と評される“ゲーム界の巨人”任天堂がいま、大きな転換期を迎えている。

「京都(任天堂)の内部で何かが起こっている」と、任天堂に近いある関係者は話す。同社は五月二十六日の決算発表の席で、山内溥社長以下十二人の取締役のうち常務を含む五人を退任させ、新たに五人を昇格させる大幅な経営刷新人事を発表した。年商五千億円規模の大企業ながら、京都の会社らしく保守的で年功序列を重視してきた任天堂が、幹部を一度にこれほど刷新した例は過去にない。

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