ゼロ金利解除が開ける日本の“パンドラの箱”

執筆者:小暮史章 2000年7月号
エリア: 日本

景気回復を前提とするゼロ金利解除だが、金融システム問題は胸突き八丁に差しかかりつつある。巨額の財政赤字も改めて海外の注目を集め始めたが、森政権には財政規律回復の意志は感じられない。さて―― 日本は神の国である。不祥事を重ねる森喜朗政権のことではない。敬虔なクリスチャンである速水優総裁が率いる日銀がモラルハザード(倫理の欠如)是正のために金融政策を運営しようとしているからだ。総裁自身が説きつづけてきたゼロ金利という異常事態からの離脱に、「ゴッド・ブレス・ユー」と祝福を贈るべきなのだろうか。 日銀の金融政策決定会合は九人の審議委員から構成される。従来から「生活者の立場」で金利引き上げを主張してきたのは篠塚英子委員一人だった。それが次第に、総裁自身がゼロ金利解除の急先鋒に立ち始めたのだ。山口泰、藤原作弥の二人の副総裁もゼロ金利解除の旗幟を鮮明にしたことから、今や三人の執行部と篠塚委員の四人が解除派となっている。 武富將委員ら中間派の委員も解除に傾いていると見られることから、七月十七日の政策決定会合では量的な金融緩和を求める中原伸之委員を除く八人の委員の賛成多数で、ゼロ金利解除に踏み切るだろう――。本稿執筆時点(七月九日)で、こうした読みが支配的になっている。

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