南北首脳会談の陰で中国内北朝鮮難民の苦境

2000年8月号
カテゴリ: 国際

 南北首脳会談によって両国の融和ムードが盛り上がる陰で、中国に脱出した北朝鮮難民の苦境が続いている。難民の拠点となってきた吉林省延辺朝鮮族自治州の延吉では八月十九日に「朝鮮民族大博覧会」が開かれるが、開催を前に中国政府が難民の取締まりを強めているという。 この博覧会には南北朝鮮のみならず、日本、米国、カザフスタンなど世界各国の朝鮮民族の参加が見込まれる。「延吉では街路樹を植えたり古いアパートを取り壊して道幅を広げたりと、お祭りムードが盛り上がっているが、それだけに、コッチェビ(子供の難民)らの存在が目障りなのです。民族の祭典を謳いながら、難民は朝鮮民族ではないとでも言うのでしょうか」(現地朝鮮族筋)。 難民らの話によれば、北朝鮮国内では南北会談以降、各地で政府による講習会が開かれ、「金大中の太陽政策に幻想を抱いてはならない。韓国はドイツ型吸収統一を目論んでいる」といった旧態依然の解説がなされているという。 また、食糧事情は依然厳しいが、海外からの援助もあってか、最近になって一カ月に五日分だけの食糧の配給が再開された模様だ。

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