中尾事件の余波をかぶる千代田生命の経営危機説

2000年8月号
エリア: 日本

 許永中の意向を受けた若築建設から賄賂を受け取った中尾栄一元建設相の汚職事件の拡大が、思わぬ波紋を投げかけている。「事件の影響で千代田生命の経営危機がさらに深刻化した」(兜町関係者)というのだ。 根拠はフィクサー・福本邦雄の逮捕(起訴猶予処分)。福本は許と中尾、そして若築を結んだ仕掛け人として東京地検特捜部に認定されたが、「千代田生命は福本とくっつき、その威光で大蔵省の護送船団行政の恩恵を受けてきた」(同)からだ。「千代田幹部は賄賂の授受現場となった宴席にも出席。福本が主宰する『三宝会』の代表世話人も務めていた」と司法関係者が癒着ぶりを指摘する。また、「千代田は福本を通じて竹下登元首相に食い込み、大蔵省への影響力を保ってきた」(生保筋)が、その竹下も今は亡い。 同社のソルベンシーマージン比率(生保の評価基準)は二六三%で、早期是正措置が発動される二〇〇%は近いともいわれる。最後の生き残り策はメインバンクの東海銀行に対する資本増強の要請だが、東海銀は、スキャンダルを嫌う三和銀行との統合を控えているため要請には応じにくい。秋の中間決算は大丈夫か――そんな憶測が千代田生命をめぐって流れている。(敬称略)

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