酷暑の夏に見る日本「大崩壊現象」の兆し

2000年9月号
カテゴリ: 経済政策・社会保障
エリア: 日本

 蒸し暑く長かった夏もようやく終わろうとしている。今年の夏を振り返ると、今の日本の、重心が定まらない、不安に満ちた自画像が浮かび上がってくるようだ。 伊豆群島群発地震、三宅島の噴火と思わぬ天災が続き、大分の一家殺傷など陰惨な事件にも事欠かなかった。そして人災という意味では、雪印の食中毒事件をきっかけに堰を切ったように表面化した食品への異物混入事件こそ、不快指数の高かった今年の夏を象徴している。数多の食品から、虫、トカゲ、ガラスの破片、ボルトなど実に多様な異物の混入が発見され、企業側は商品回収と謝罪に明け暮れた。 2カ月前の当欄で指摘したように、こうした事件の背景には、本来日本企業が得意としてきた「品質管理」の著しい劣化がある。品質管理の能力をどう復活させるかは、当該企業のみならず日本全体に突きつけられた課題であろう。 その一方で、異物混入事件と相前後して発覚した、食品企業などへの悪質な嫌がらせ、恐喝事件にも目を向けておく必要がある。 例えば8月下旬には、乾燥剤が混入した食品を自主回収していたヱスビー食品に「食べたらお腹が痛くなった」とクレームをつけ、現金4000万円を脅し取ろうとした男が恐喝未遂の疑いで逮捕された。9月初めには、武田薬品工業に異物入りの目薬と脅迫状を送りつけていた女性が威力業務妨害で逮捕される事件も起こっている。

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