金正日ロシア訪問ドタバタの真相

2000年9月号
カテゴリ: 国際
エリア: ロシア 朝鮮半島

 今年秋に予定されていた金正日総書記のロシア訪問が、一旦取り止めになった理由は、北朝鮮のロシアへの負債問題であることがわかった。 冷戦当時、極東の同盟国である北朝鮮を支援するため、ソ連は低利の長期借款を行なった。その額は現在の為替レートで換算すると約四十億ドル程度。だが、北朝鮮の主張は違う。北朝鮮は当時の長期借款がルーブルで支給された点を考慮し、支払いもルーブルで決済すべきだと主張。北朝鮮の言う通りに計算すると、債務は一億ドルにもならない。 金総書記は債務の全額免除を粘り強く求めたが、ロシア側は債務問題を首脳会談の議題にすることにさえ反対した。金総書記はロシアの反応に不快感を示し、訪問を撤回したものの、協議は継続されている模様だ。 モスクワの朝鮮半島専門家は、最近プーチン大統領が朝鮮半島問題に特別な関心を見せる背景には、この旧ソ連の四十億ドルがあると指摘する。そして、在モスクワの韓国人特派員は、「北朝鮮への長期借款が償還されない場合、ロシアは韓国に対し、九〇年当時に韓国がソ連に行なった十六億ドルの長期借款と、ロシアから北朝鮮への長期借款との相殺を求めるのでは」とみている。

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