海上自衛隊スパイ事件摘発の背景とは

2000年9月号
カテゴリ: 外交・安全保障 社会
エリア: 日本

 海上自衛隊三佐、萩嵜繁博容疑者がロシアの駐在武官に自衛隊の内部情報を漏らした疑いで逮捕された。 ロシア語が堪能な萩嵜容疑者は防衛大学校大学院生だった昨年秋、ロシア駐在武官のボガチェンコフ大佐と知り合い、当初はロシア・ソビエトの海軍戦略を研究するために大佐から情報を得ようとしたようだ。間を取り持ったのは軍事専門誌の編集部員ともいわれ、二人だけで会うようになった後、情報をもらう見返りに内部情報の提供を始めたことから泥沼にはまった。 だが、ロシア大使館員と個人的な交流を持っている自衛官は萩嵜容疑者だけではない。大使館主催のパーティーなどを通じ、狙いをつけた自衛官に武官らが連絡をとってくる。ロシア大使館関係者に友人がいるという幹部自衛官は「会って酒を飲み、馬鹿話をするだけ」と話すが、数回会えば、警視庁公安部の網にかかる。金銭の授受がなくても秘密保持を定めた自衛隊法に触れるとの解釈は可能とされ、摘発するか否かは警察のサジ加減ひとつ。それだけに、日ロ共同訓練が始まるタイミングでの今回の摘発は、日ロ間の防衛交流の進展に不満を抱く一部政府筋による牽制説も出ている。

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