プロ野球「一リーグ制」への足音

2000年9月号
カテゴリ: 社会
エリア: 日本

もはや止められない「パ・リーグの崩壊」「しゃれにならない。ここまでくると笑っていられないですよ」 七月二十三日、地元神戸で行われたオールスター第二戦で大敗したあと、オリックスのイチローは珍しく感情をあらわにした。 夢の対決とは思えないワンサイドゲーム。四番手投手のロッテ小林雅英が八回に七失点と打ち込まれ、パ・リーグの一九九七年第二戦から続く球宴の連敗記録は七にのびた。イチローの怒りをよそに、七月二十六日の最終戦もパの完敗。あしかけ四年にわたる惨めな八連敗で、連敗脱出の機会は来世紀に持ち越された。 パ・リーグの「マイナー化」が止まらない。赤字の垂れ流しは以前からのことだが、九三年にFA(フリーエージェント)制とドラフトの逆指名制が導入されてから、球団の人件費負担は急上昇、カネがなければ優秀な選手を囲っておけなくなった。球団を売却したくても、容易に買い手は見つからない。球団を買い取って新たにプロ野球に参画する場合、参加者はリーグ加盟料として三十億円の“上納金”を用意しなければならないのだ。とすると、パの自己崩壊からなし崩しの一リーグ制実現、という事態も想定出来る。 実は、戦力の巨人一極集中が進むセ・リーグでも巨人以外の球団のマイナー化が進んでおり、「構造的危機」はパに限った話ではない。

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