「カリーニングラード」を舞台にロシアとEUの軋轢

2000年10月号
カテゴリ: 国際
エリア: ヨーロッパ ロシア

 ポーランドとリトアニア、そしてバルト海に囲まれたロシアの飛び地カリーニングラード州をめぐり、ロシアと欧州連合(EU)の駆け引きが本格化してきた。 旧ソ連時代は、東欧とバルト諸国、海を隔てた北欧ににらみを利かせる軍事的要衝だったカリーニングラードも、今では中央からの財政援助もなく、産業や社会の荒廃に苦しんでいる。ロシアの犯罪組織の拠点化も進み、同州が欧州への犯罪の輸出基地になる事態を恐れるEUが、経済のてこ入れに乗り出す姿勢を見せている。 欧州委員会のパッテン対外関係担当委員はこのほど、ブリュッセルでロシアのフリスチェンコ副首相と会談、年末までに同州にEUの事務所を開設して、経済援助を進める意向を示した。 カリーニングラードはEU拡大によって、将来はEU加盟国に四方を囲まれるため、無法地帯として放置できないというのが欧州側の考えだ。ロシアは、安全保障面での機能強化を進めるEUの影響力が自国の飛び地に及ぶことを警戒している。だが、極東の北方領土と同様に、経済支援獲得のカードに活用する思惑もある。

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