大胆な構造改革で急速に解体する「ドイツ型資本主義」[フランクフルト発]九月二十二日の先進七カ国(G7)による協調介入にもかかわらず、外国為替市場でのユーロ安は是正に至っていない。しかし、この点だけをあげつらって「ユーロ圏経済の構造改革の遅れ」を取り沙汰するのは少々理屈が合わない。円高の日本が、ユーロ圏に比べ構造改革が進んでいるとは誰も言わないだろう。長引くユーロ安の主因は、ユーロ圏企業が合併・買収(M&A)などを通じて活発な対米投資を続けていることに伴う根強いユーロ売り・ドル買いの結果であり、ユーロ圏企業が攻めの経営でグローバル化対応を進めていることの反映と言える。「ユーロ安はユーロ圏経済が元気な証拠」とも言えるわけだ。
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